講演③「ビフィズス菌MCC1274の臨床活用状況報告」/ 内門 大丈 (医療法人社団みのり会 湘南いなほクリニック 院長)

「ビフィズス菌MCC1274の臨床活用状況」について

脳腸相関と認知症

 脳と腸は3つの経路を経由して脳に影響を及ぼしている可能性があると言われています。脳血管障害、自閉症、アルツハイマー病やパーキンソン病などの疾患なども、近年脳腸相関という視点から様々に研究が行われています。先日行われたレビー小体型認知症研究会などでも、パーキンソン病のDual Hit仮説における腸管からの伝播について取り上げられていました。

神奈川エリアでの臨床試験の取り組み

 神奈川エリアでも、MCC1274の認知機能改善に関する臨床試験が行われ、参加をいたしました。120症例を目標に取り組んだものの、COVID19の影響により35症例のみのエントリーにとどまってしまいましたが、湘南いなほクリニックでは7症例の結果が得られました。ビフィズス菌摂取群でTDASスコアが低下(認知機能の改善)する傾向は見られましたが、全体では有意差は得られませんでした。

クリニックにおける有効症例報告

 またクリニックでの日常診療の中で、生活習慣の改善なども含めた指導の上、脳腸相関からのアプローチに関心を持つ15人の患者に対し、MCC1274を使用いたしました。平均年齢は76.3±7.6歳で、正常およびMCIのケースが60%、長谷川式の平均スコアは24.3でした。MCC1274投与によって、何等かの効果を感じたケースは4例で、全体の26.7%となりました。先行の研究においては16週間で認知機能改善の効果が見られたことから、3か月以上の投与期間の患者に絞ると44.4%が効果を感じた結果となりました。(以下は、診療録による後方視的検討であり、あくまで本人および家族からの評価です。また今回の発表は、エビデンスレベルの分類の中では「記述研究」という症例報告にあたります。)

 今回の有効症例のうち2例は、うつ状態やアパシーを著明に改善しました。MCI時期に精神的に不安定になるケースも多いため、今後は認知機能の改善効果だけでなく、精神症状の改善効果に関しても検証する必要があると考えております。

医療法人社団みのり会
湘南いなほクリニック 院長
内門 大丈

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